土壌汚染調査
法定調査
土壌汚染対策法では有害物質を取り扱っていた工場(有害物質使用特定施設)を廃止する場合や、3,000u以上の土地の形質変更をする場合で、土壌汚染のおそれにより、人への健康被害を及ぼすおそれのある場合には、土地の所有者に対して土壌汚染の状況を同法で規定している調査方法により調査(法定調査)することを義務付けています。
土地売買等にかかる自主的に実施する調査でも、この法定調査の手順に習って行うことが一般的です。
1.地歴調査
登記簿、旧航空写真、古地図、対象地についての過去の土壌調査結果等の資料の確認、対象地の土地利用履歴に詳しい方や管轄自治体への聴き取り、現地踏査等により対象地の土地利用履歴等の調査をおこないます。
地歴調査の結果から総合的に判断し、対象地について特定有害物質ごとに
『土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地』、『土壌汚染が存在するおそれが少ない土地』および
『土壌汚染が存在するおそれがない土地』の3種類の区分に分類します。
☆『土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地』
特定有害物質等を使用、貯蔵等を行っていた土地やその施設、繋がっている配管、関連の施設が
設置等されている土地や特定有害物質等の埋設等が行われた土地。
☆『土壌汚染が存在するおそれが少ない土地』
直接に特定有害物質等の使用等又貯蔵等を行っていた施設の敷地ではないが、当該敷地から、
その用途が全く独立しているとはいえない土地。
作業場、資材置き場、倉庫、作業車用通路、作業者の駐車場、中庭等の空き地等
☆『土壌汚染が存在するおそれがない土地』
特定有害物質等の使用等又は貯蔵等を行っていた施設の敷地からその用途が全く独立している
状態が継続している土地。
山林、緩衝緑地、従業員用の居住施設や駐車場、グラウンド、体育館、未利用地等
*土地の分類は「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)
平成24年8月環境省水・大気環境局土壌環境課」より引用しました。
2.調査計画の立案
<区画の設定>
対象地を対象地の最北端を起点として30m格子に区分し、さらに10m格子区画に区分して、
土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地を含む区画
土壌汚染が存在するおそれが少ない土地を含む区画
土壌汚染が存在するおそれがない土地を含む区画
に分類します。
<調査地点の設定>
有害物質毎に『土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地を含む区画』は10m格子区画毎に、『土壌汚染が存在するおそれが少ない土地を含む区画』は30m格子毎に行います。『土壌汚染が存在するおそれがない土地を含む区画』は調査を行いません。
第一種特定有害物質の試料採取地点の設定
第一種特定有害物質の調査は『土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地を含む区画』は10m格子毎に、おそれが最も多いと考えられる区画内の1地点で、『土壌汚染が存在するおそれが少ない土地を含む区画』では、30m格子毎に30m格子内に含まれる中心の1地点で試料を採取します。
第二種種特定有害物質及び第三種特定有害物質の試料採取地点の設定
第二種及び第三種特定有害物の調査は『土壌汚染が存在するおそれが比較的多い土地を含む区画』は10m格子毎に、おそれが最も多いと考えられる区画内の1地点で、『土壌汚染が存在するおそれが少ない土地を含む区画』では、30m格子毎に30m格子内に含まれる5個までの任意の10m格子の中心で試料採取します。
<試料採取方法>
第一種特定有害物質
第一種特定有害物質の調査は、地表面下0.8m〜1.0mの土壌間隙のガス(土壌ガス)を採取管を
地面に挿入して捕集バッグ吸い上げて分析します。
第二種特定有害物質及び第三種特定有害物質
第二種特定有害物質及び第三種特定有害物質の調査は、地表面下(汚染のおそれが生じた場所の位置)から地表〜深さ5cmの土壌と深さ5〜50cmまでの土壌を採取混合して分析します。
30m格子毎の調査は30m格子内の各地点の分析試料を等量混合して分析します。
3.試料採取状況
土壌ガス試料採取及び測定状況
土壌試料採取状況
4.特定有害物質の種類と基準値
土壌含有量基準は、特定有害物質を、人が土壌を直接摂取(土を食べたり、吸い込んだり)することによって、有害物質が体内に取り込まれるのを防止するために設定された基準値です。土壌に含まれる特定有害物質の量に関する基準で、1キログラム中のミリグラム(mg/kg)で表します。
土壌溶出量基準は、土壌中の特定有害物質が地下水に溶出して、その地下水を飲むことによって、体内に有害物質が取り込まれるのを防止するために設定された基準値です。土壌に水を加えて溶出する特定有害物質の量に関する基準で、1リットル中のミリグラム(mg/L)で表します。
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